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ゲノ勉 第2回 私たちの体のどこに遺伝子はあるの?細胞の世界をのぞいてみよう

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突然ですが、あなたという人間を作るための「設計図」は、体のどこにしまわれているか知っていますか?

心臓?脳?

実は、そのどれもが正解で、同時に少し言葉が足りません。

私たちの体を作るゲノム(設計図のすべて)は、なんと体を作っている「37兆個すべての細胞」の中に、一つ残らず入っているのです。

今回は、そんな生命の神秘、ゲノムの「隠し場所」について、理科嫌いの高校生でも絶対にわかるように解説します。

37兆個の細胞は、それぞれが「自分専用の部屋」

まず、私たちの体は巨大な高層マンションだと想像してください。そのマンションは、なんと37兆個もの部屋(細胞)でできています。

心臓にある細胞は、心臓というエリアの部屋。 皮膚にある細胞は、皮膚というエリアの部屋です。

では、この部屋の中に、ゲノムはどのように置かれているのでしょうか?

いいえ、違うのです。 ここが面白いところで、心臓の部屋にも、皮膚の部屋にも、「体全体の設計図(ゲノム)」がすべて入った百科事典セットが置かれています。

心臓の部屋では、その事典の中から「心臓のページ」だけを開いて使っている、というイメージです。

細胞、核、染色体、DNAの「マトリョーシカ」関係

では、細胞の部屋のどこにその百科事典(ゲノム)があるのか、もっとズームインしてみましょう。 キーワードは「核(かく)」と「染色体(せんしょくたい)」、そして「DNA」です。

この関係性は、マトリョーシカのような包含関係をイメージすると完璧に理解できます。

  1. 細胞(部屋): 一番外側の箱。
  2. 核(金庫): 細胞の中にある、さらに小さな丸い箱。ここに大事な設計図がしまわれています。
  3. 染色体(百科事典): 核(金庫)の中に入っている、ぶ厚い本。人間は1つの細胞に46冊(23対)持っています。
  4. DNA(文字列): 染色体(本)を構成している、細長いヒモのような物質。ここに文字が書かれています。
名称例え実際の役割
細胞部屋体を構成する最小のブロック
金庫大切な情報を守る頑丈なケース
染色体百科事典情報を章ごとにまとめた分厚い本
DNA文字列実際に意味を持つインクの羅列

染色体は、DNAという長いヒモを巻き取ったもの

もう少しだけ、深く入り込んでみましょう。 核(金庫)の中にある染色体(百科事典)についてです。

人間のDNAは、1つの細胞分をすべてつなげると、なんと2メートルもの長さになります。 それがミクロな細胞の、さらに小さな核に入るはずがありません。

そこで、体は驚くべき工夫をしています。

DNAという細いヒモを、ヒストンというタンパク質の「ボビン(糸巻き)」にグルグルと巻き付けて、コンパクトに折りたたんでいるのです。 この、DNAが巻き取られた状態のものを染色体と呼びます。

病気とゲノムの関係も、この場所から始まる

ここまで読んだあなたは、ゲノムが細胞の「核」にあることを理解できたと思います。 病気を診断する際も、この知識が基本になることもあります。

臨床医学において、染色体の「数」や「形」は非常に重要です。

例えば、多くの「がん細胞」では、通常46本あるはずの染色体が、増えたり減ったり、あるいは途中でちぎれて別の染色体にくっついたり(転座)しています。
これを染色体不安定性と呼びます。

がんゲノム検査では、DNAの細かい文字の違い(変異)だけでなく、このような大きな染色体のレベルでの異常も解析し、治療法の選択に役立てています。
私たちのゲノム情報は、細胞の核という場所で、非常に動的に、かつ厳密に管理されているのです。

まとめ

私たちの体のどこに遺伝子はあるのか、その答えは見つかりましたか?

  • 遺伝子(ゲノム)は、37兆個すべての細胞の中にある。
  • 細胞の中にある「核」という金庫に守られている。
  • 核の中では、DNAがヒストンに巻き付いた「染色体」として存在している。
  • 人間は、1つの細胞に46本の染色体を持っている。

あなたが今こうして息をして、ブログを読んでいるその瞬間も、全身の細胞の「核」の中で、設計図であるゲノムが働き続けています。 そう思うと、自分の体が愛おしくなりませんか?

次回は、このゲノムに書かれている「4つの文字」の正体に迫ります!

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